こんにちは🍂今回は、高校入試でもよく出題される「随筆文」について、読解と作文の両面からやさしく解説します。記事の最後には、無料のミニテストプリントもご案内しています。ぜひご活用ください。
そもそも「随筆文」ってどんな文章?
随筆文とは、作者が日常の出来事や心の動きを自由に綴った文章です。「エッセイ」ともいいますね。物語文ほどストーリー性は強くなく、説明文ほど論理的でもありません。
随筆文には、つぎのような特徴があります。
📄随筆文の特徴
・日常の出来事やふとした「気づき」が題材
・作者の「考え」や「感じ方」が中心
・「詩的な表現や比喩」が使われることもある
高校入試では、「作者の気持ちの変化」「考えの深まり」「言葉の選び方」などを問う問題がよく出ています。
【読解編】高校入試で問われる「随筆文」の読み方
さて、高校受験をする中学生は、入試問題のことも気になりますよね。高校入試の「随筆文の読解問題」では、つぎのポイントを押さえることが大切です。
①場面と出来事を整理する
追体験するつもりで読む
まずは、「随筆文」の読み方から。文章全体から「いつ・どこで・何が起きたか」をざっくりとつかみます。そして、作者が何を見て、何を感じたかを追いかけます。
②作者の気持ちの変化に注目
「気持ちの変化」を見逃さない
さて、随筆文では、「最初はこう思っていたけど、あとで考えが変わった」という流れがよくあります。この流れのきっかけとして、「転機となる言葉や出来事」が出てきます。これを見逃さないようにしましょう。
③言葉の選び方から心情を読み取る
また、随筆文では作者の心の描写がいろいろな書き方で表現されます。
比喩や強調表現に注目
→ テーマ(主題)へ
たとえば、「〜のように感じた」「〜としか言いようがなかった」など、比喩や強調表現に注目すると、作者の気持ちが見えてきます。ここから、随筆文のテーマ(主題)に迫ります。
④設問には「根拠+自分の言葉」で答える
「根拠を示してから」
設問への答えは、本文の言葉を引用しつつ、自分の言葉でまとめましょう。このような答え方であれば、あなたの答えに説得力を示すこともできます。
たとえば、単に「~とわかる」「~である」と書くよりも、「〜とあることから、作者は〜と考えたとわかる」と答えれば、どんな印象を与えられるでしょうか?
【作文編】高校入試にも通用する「随筆文」の書き方
ところで、高校入試では、「あなた自身の体験や考えをもとに、随筆的な文章を書きなさい」という課題が出ることもあります。作文が苦手だと「え~イヤだなあ」って思う人もいますよね。
でも、大丈夫です。
「随筆文」の書き方のコツ
もちろん、「随筆文」の書き方にもコツがあります。このコツをふまえて書けば、あなたが「随筆文」を理解していることが伝わります。
①テーマは「身近な出来事+気づき」
さて、随筆文を書く場合、何を題材にすればよいのでしょうか?これは、むずかしく考える必要はありません。
「身近な出来事+気づき」
まず、あなたに「ある気づきを与えた出来事」に目を向けてみましょう。この「気づき」も、何も特殊な「気づき」でなくていいのです。
随筆文のテーマは、むしろ「日常の出来事や思い」を取り上げる方が読み手の心にも届きやすいかもしれません。
たとえば、こんなテーマでも十分に「随筆文」が書けます。
- 通学中に見た風景から感じたこと
- 家族との会話で考えたこと
- 部活動での経験から得た気づき
②出来事+気持ち+考えの深まり
でも、「こんな出来事があった。こう感じた」というだけではどうにもなりません。読んだ人も「そうですか、それで?」という感じです。
作者の「気持ちの変化」
→「見せ場」
そこで、「そのときどう思ったか」「なぜそう感じたか」「その後どう考えが変わったか」という作者の気持ちの変化を書けば、文章にグッと深みを出すことができます。
これは、読解編②にも出てきたことで、随筆文の「見せ場」になります。もう、随筆文のテーマ選びも、見せ場の作り方もわかってきましたね!
③最後に「まとめ」や「今後の自分」
では、随筆文の最後は、どのように終わればよいのでしょうか?読み手は、思いや考え方に変化を生じた作者がどうなっていくか、ものすごく気になっているはずです。
こんなふうにまとめていきませんか?
明るく、前向きなエンディング
随筆文の終わりは、読み手にさわやかな印象を与えたいものです。読後には心地よい余韻が広がります。もちろん、テーマによっては重苦しい雰囲気で締めくくることがあるかもしれません。でも、少し難しい書き方ではないでしょうか。
そこで、わたしたちは明るくいきませんか?
たとえば、「この経験から、私は〜と考えるようになった」「これからは〜していきたい」などの、「新しい考え方を得た自分のこれから」を語って締めくくる。これでどうでしょうか?
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おわりに:随筆文は「心を言葉にする練習」
「国語の学習ってどうしたらいいの?」という声を聞くことがあります。そうですよね。人の思いや考え方はそれぞれですから、「正しい答えってあるの?」という疑問があるでしょう。
たとえば、随筆文への設問にどう答えるべきか。たしかに「正解例」はありますが「これだけが正解」ではないかもしれません。だからこそ、自分の感じ方や考え方を大切にできることも魅力ではないでしょうか。
また、高校入試で随筆的な文章を書く際も、あなたの「気づき」や「言葉の選び方」が評価されます。少しずつ「心を言葉にする」練習をしておきたいですね。
最初はメモ書きで十分です。自分が「ある出来事」から「何を感じたか」それによって「どうなったか」「どうなりたいのか」などをちょこちょこと書いてみましょう。
心を言葉にする=随筆文
また、随筆文が書けるあなたは、心の変化にも敏感な人でしょう。つまり、「作文」と「読解」はとても関係があるのです。なんだか、国語の学習も楽しくなりますね。
では、また💛