——中学生向け「これならば書ける!」読書感想文ガイド
みなさんは「感想文」が好きですか?私は苦手でした😞
たとえば、夏休みの「読書感想文」。あらすじをたくさん書いてちょっとだけ「思ったこと」を添える、そんな書き方をして提出していました。
でも、「ある考え方」をするようになったら、感想文がグッと書きやすくなったんです。
今回は、そんなことも思い出しながら「読書感想文をサクサク書く方法」と「感想文」のプリントをご案内します。
はじめに:「書き出し」で止まるのはあなただけじゃない
「え~っと…何から書けばいいの?」
読書感想文を書こうとしても、「何から書けばいいか分からない…」と手が止まってしまうこと、ありませんか?多くの中学生が、最初の一文で悩んでいます。私も、まさにそのタイプでした。
でも、ここに解決のカギがあります。
自分の考えを見つける入口
最初の一文への考え方を変えればいいのです。「何から書けばいいか分からない」から「書き出しを決める」へ。
実際、「書き出し」さえ決まれば、感想文の半分はもう書けたようなものです。なぜなら、書き出しこそが「自分の考えを見つける入口」だからです。
書き出しの「型」は、考えを広げる「とっかかり」
さて、ここから「書き出しの型」の話。ここでいう「型」とは、書き出しのパターンのことです。先ほど「書き出し」さえ決まれば、と言いましたね。それが「型」なのです。
たとえば、感想文ではこんな「書き出し」がよく使われています。
「主人公に共感しました」
「こんな考え方があるなんて驚きました」
これが「型」といわれても、「主人公に共感しました」や「こんな考え方があるなんて驚きました」なんて書くこと自体、中学生にとっては気恥ずかしいかもしれませんね🤭
次に書くことが自然に見える
でも、この「型」を使うと、次に書くことが自然に見えてきます。
たとえば「共感型」で始めたら、「なぜ共感したのか」「自分の経験とどうつながるか」「そこから何を学んだか」と、考えがどんどん広がっていきます。
つまり、ちょっと気恥ずかしい「書き出しの型」は考えを広げる「とっかかり」で、感想文を書くための「道具」ということ。「道具」ならば、使えばいいのではないでしょうか?
「書き出しの型」によって、展開の流れ・書き方が変わる
ズバリ!言います。「書き出しの型」を使うと感想文が書きやすくなります。その理由は、型ごとに「考えの流れ」が決まっているからです。
たとえば「共感型」で始めると、自分の経験や気持ちを中心に書く流れになります。一方、「問いかけ型」では、主人公の行動や選択について考える展開になりやすいです。最初の書き出しと違う流れにはなりません。
「型」が違えば「本論」の展開が変わる
では、型ごとに本論がどう展開するか、その違いをみてください。
| 型の名前 | 書き出しの例 | 本論でよく使われる要素 | 主人公の行動分析 | あらすじの説明 |
| 共感型 | 「主人公の気持ちに共感しました」 | 自分の経験・感情・気づき | △(感情に寄せた分析) | ✕(省略されがち) |
| 問いかけ型 | 「自分だったらどうするだろう?」 | 場面の背景・選択の意味・価値観の違い | ◎(行動の理由や選択を考察) | △(場面の説明が入ることも) |
| 驚き型 | 「こんな考え方があるなんて驚きました」 | 価値観の違い・新しい視点・自分との比較 | ○(驚いた行動や言葉を分析) | △(驚いた場面の説明) |
| 体験型 | 「私も似たような経験があります」 | 自分の体験・気持ち・本とのつながり | △(体験との比較で触れる) | ✕(あまり使われない) |
この違いを知っておくと、感想文を読むときにも「どの型で書かれているか」「どんな展開になっているか」が分かりやすくなります。また、感想文にありがちな「あらすじ」説明。書きすぎてしまい、かえって「感想」がボケてしまうかもしれませんね。
「何を書けばいいか」自然に出てくる
このように「書き出し」さえ決めれば、あとは芋づる式です。「型」が自分の奥底の「考えや感情」を「おもて」に引っ張り出してくれます。これが「書き出しの型」を使うことの効果のひとつです。
感想文の展開をメモしておく
感想文を書く際には「下書き」があると早く書けます。書き出しが決めたら、メモ書きでOK。下書きを作りましょう。「型」を選ぶと展開の流れが決まっていきます。感想文の下書きが簡単に出来上がります。
もう「何を書けばよいか分からない」状態がウソのようですね。どんどん言葉が出てきます。
書き出しの引き出しが増えると、どんな本を読んでも書ける
読んだけど、感想がない!?
ところで、「読んでも、何も思いつかない本がある」これもよく聞く話です。
たとえば、「自分が選んだ本であれば、何か書けるかも。でも、指定図書では…」という声も。読みたくて読むのではないですから、その気持ちもよくわかります。
この解決にも「書き出しの型」
「読んでも、感想が思いつかない…」そんなときこそ、「型」の出番です。たとえ自分が選んだ本でなくても「書き出しの型」をいくつか知っていれば、「この本は驚き型で書けそう」「これは体験型が合うかも」と、感想文の切り口が見つかります。
指定されたって怖くない!
なぜなら、「書き出しの型」があることで「本論」の展開に沿う「新しい視点が出来る」から。新しい視点からは、新たな「気づき」が生まれます。これが「感想」です。
「型」を使って書き出してみると、新しい「考えや思い」が引き出されます。そして、この「引き出し」が多いほど、どんな本を読んでも「自分の言葉」で書けるようになります。
もう「指定図書の感想文」だって怖くない!ですね🤗
自分の言葉ってなに?💐
文章と会話で使う「言葉」とでは、ちょっと違う点がありますね。
会話は、相手との「言葉」のキャッチボールです。だから、あなたが「言葉」を省略しても、多少「言い間違えた」としても、相手が意味を察してくれます。会話は成立します。
では、あなたが書く文章の意味は、読む人に伝わりますか?
短くてもいろいろな文章を読んで「文章の言葉や意味」を意識しませんか?
「書き出しの型→展開」の流れを、読むことで体験してみよう
ここまで、「書き出しの型」やこれを使うと「感想文が書きやすい理由」を紹介してきました。
「でも、ホントに…?」
そうですよね😊実際に、その流れを体感してみないと「ピン!」とこない人もいるかもしれません。
「書き出し→本論→まとめ」のつながりをたしかめよう
そこで、ある中学生の感想文を読んで、「書き出し→本論→まとめ」のつながりを読み取るプリントを用意しました。
感想文を書くのではありません。まず、ある中学生が書いた「感想文」をあなたがチェックするためのワークシートです。
このプリントでは、感想文の「書き出し」がどの型かを見つけたり、そこからどう考えが広がっているかを読み取ったりします。読むだけで、「あ、こういうことか!自分もこうやって書けそう!」という感覚がつかめるはずです。
読解プリントで「型」の流れを体験してみよう
では、いよいよ感想文読解プリント(無料)をご紹介します。実際に読んでみれば「自分の気持ちから書き始めると、こんなふうに本論が広がるんだ!」という感覚がつかめるはずです。
📘短編:『分かれ道のベンチ』
📝感想文:「ある型」で展開
📄設問:構造を読み取る5問+ふりかえり
この読解プリントを通して、「書き出しの型」が「ただのテンプレ」ではなく、「考えを広げるとっかかり」だということを、きっと実感できるはずです。
📌プリントの一部を見る👉こちらをクリック
📄 読解プリントは、LINE「中学生の道具箱」に登録後※「今月のプリント」からご利用ください。※LINE「中学生の道具箱」の登録・解除は、いつでもご自由です。安心してお使いください。
LINE「中学生の道具箱」は👉こちらの記事でご紹介しています。よろしければ見てくださいね!
📌「今月のプリント」には、数学(学年別)、文章読解(無学年)、英語読解(無学年)のページがあります。登録後は、どのプリントもご利用いただけます。
おわりに:書き出しは「自分の考えを見つけるカギ」
さいごにもう1つ。読書感想文は、「うまく書く」ことより、「自分の気持ちに気づく」「気持ちを言葉にする」ことが大切です。
今回ご紹介した「書き出しの型」は、あなたの気持ちを見つけるためのツールです。
あなたの中にある考えや感情を、安心して言葉にしてみましょう。「書き出しの型」を使い、自分のなかの「考えや感情」をみつける。感想文ではこういった体験が楽しめます。
「書き出し」が決まれば、感想文はもう怖くありません。
では、また💛
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