こんにちは、中2、中3のみなさん! さて、公立高校入試は出題範囲が広いので、早めの準備が大切です。そこで、公立高校入試に出そうな数学シリーズ第6回は「数学的な考え方と表現力が求められる問題」を取り上げます。今回は、中学2年の学習範囲から出題される可能性のある問題を例に挙げています。中1のみなさんも、ぜひ、見てくださいね。

なんか、むずかしそう

みんなと一緒にやるね

心配いりませんよ
知っている数学の知識です
公立高校入試では、数学的な考え方と表現がテーマの問題が頻出
公立高校入試は出題範囲が広いので、単なる計算問題もあれば、数学的な考え方を使って問題を解決し、論理的に説明する問題もあります。例えば、以下のような問題です。
例題1 論理的思考と問題解決
この例題では、問題文の条件を数学の知識で整理する練習ができます。それでは、一緒にやってみましょう。
問題文

解き方
まず、問題文をよく読み、条件に合う具体的な数字を探しましょう。つぎのスライドを見ながら、一緒に解いていきましょう。
ポイント
① Xは整数
② Xは2の倍数
③ Xは1~20の範囲
④ Xは3の倍数+1 (3で割ると1余る)

解答
条件1と2で、対象範囲がかなり絞りこまれていますね。それでは、下のスライドで条件3に当てはまる数を探しましょう。
いかがですか?条件1、2、3を全て満たす3つの数が絞り込まれました。最後に、もう一度、3つの条件を振り返り、解答もれがないかを確かめましょう。

このように、各条件を数学的に整理すると、これらの条件を全て満たす整数は 4, 10, 16 です。
公立高校入試は、中2の学習範囲からも出題
さて、今回の例題は、中学2年生が学ぶ内容に基づいています。例えば、平行四辺形の対角線の性質や整数の問題などは、中2の学習範囲です。もしかすると、例題1は、中1のみなさんもできたかもしれませんね。
例題2 理由を説明する問題
つぎに、例題2を一緒に解きましょう。この例題には、平行四辺形の性質と三角形の合同条件の知識が必要です。これらは、中学2年の学習範囲ですね。
問題

解き方①
この例題は、「平行四辺形の対角線は、どうして互いに中点で交わるのか」を数学の知識を用いて説明する問題です。
準備
平行四辺形には、辺の長さや角の大きさが同じところがあります。まず、図に描き入れてみましょう。例えば、辺ABとCDは並行、かつ、同じ長さです。また、2つの対角線(AC、BD)でできる錯角が等しいので、これらも図に描き入れておきます。
(下のスライドでは印を省いていますが、辺ADとCBと2つの対角線でできる錯角も同じ大きさです)

解き方②
つぎに、「対角線は互いに中点で交わる」とはどのような式か、考えましょう。下のスライドを見てください。
つまり、対角線の交点をOとすると、AO=CO、 OB=OD ならば、「対角線は互いに中点で交わる」ことがわかります。これで、説明で示すべきこと(AO=CO、OB=OD)がわかりました。

解き方③
それでは、下のスライドの頂点Oで向かい合う、2つの青い三角形に着目しましょう。
すると、△AOBと△CODは、一辺と2角が合同であることがわかります。したがって、この2つの三角形は合同です。

解答
ところで、合同な2つの三角形の対応する辺の長さは、同じですね。それでは、下のスライドを見てください。
つまり、2つの合同な三角形の辺である、AO=CO、OB=ODです。したがって、「平行四辺形の対角線は、互いに中点で交わる」ことが説明できました。
(2つの三角形、△AODと△COBに着目した場合も同じように説明できます)

中3進級前に、中2学習範囲を復習
公立高校入試では、中3の学習範囲からも出題されますから、中3になると授業を理解しながらしっかりと問題練習する必要があります。もちろん、他の試験科目も同様です。そのうえ、最高学年ですから学校行事のリーダーとしても本当に忙しいですね。
ですから、本格的に忙しくなる前に中2までの学習範囲の復習をおすすめします。もし、中2の内容がしっかりと身についていない場合は、早めに基本事項を確認しましょう。また、解き直しノートを作っている人は、自分の理解度を確認しましょう。
もちろん、中3になってから学習に取り組んだとしても遅すぎることはありません。忙しくても、正しい学習方法で基礎を固めれば、より高いレベルの問題に取り組む準備は整います。ですから、解答への正しいステップを理解し、心配せずに学習を進めましょう。
解き直しノートの記事はこちらです。
解き方のステップ
例えば、今回の例題はつぎのステップで解くことができます。ですから、中2の復習をしながら、このステップで解けそうな問題も練習してみてくださいね。
ステップ
① 問題をよく読み、条件を整理する。
② 条件に合致する解を論理的に探す。
条件を具体的な数字や式で表す。(例題1)
③ 解答に至る過程を説明できるようにする。
解答がどのような式になるか考える。解答の式に向かい数学的に説明する。(例題2)
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まとめ
いかがですか? 今回の例題で「数学的な考え方と表現力が求められる問題」にも、中2数学の理解が必要だと実感したのではないでしょうか。中2、中3のみなさん、もし、中2数学で未完成なテーマがあれば、今のうちに基礎を固め、公立高校入試に向けて万全の準備をしておきましょう!
もし、例題がわかりにくい場合は、数学の知識が少し足りないかもしれません。その時は、お友達と話したり、先生に質問したりしてみましょう。そうすれば、何の知識を補えばよいかがわかってきますね。
しかし、学習の遅れや受験への不安が強い場合は、おうちの方に相談し、個別指導を受けることを検討するといいかもしれません。やはり、受験の悩みは、自分に合う学習指導者と一緒に取り組むほうが、早く解消できると思います。
とにかく思い立ったら、やってみましょう!いつも、応援しています。では、また💛







