「文章題になると何を聞かれているのか分からなくなる」
「二乗に比例するって、もうムリ!」
そんな中学生に向けて、「読み方のコツ」と「解き方のステップ」をわかりやすく解説します。
今回は「二乗に比例する関数」が苦手な人に向けた基礎編で、次回は「二乗に比例する関数」の文章題の練習編になります。
それでは、一緒にやってみましょう。
二乗に比例するってどういうこと?(基本の復習)

「二乗に比例」ってラッキーワードですよね

え~なんで?
それでは、「二乗に比例する関数」の意味を確認してから、「ラッキーワード」の理由を説明しますね。
まず、「二乗に比例する関数」の数式の形。
y = ax²(aは比例定数)
つまり、x が2倍になると、y は4倍、x が3倍ならy は9倍になり、定数 a 倍の関係性があるということです。この「a」を求めることで、この数式がもっとわかりやすくなります。

あれ?これによく似た数式あったね

y=ax でしょ? 直線のグラフ
さて、よく似た関数の数式に「y=ax」 があり、この関数は比例の一次関数で、別の言い方をすれば「一乗に比例する関数」です。「二乗に比例する関数」も比例グループの仲間です。
しかし、仲間といえども数式やグラフの形が違います。その点は、問題を解きながらしっかり覚えましょう。
身近な「二乗に比例」の例
ところで、身のまわりに「二乗に比例する」ことって、あるのでしょうか。
例えば、「正方形」や「自由落下の位置や高さ」などがそうです。ですから、「二乗に比例する関数」の文章題では、「辺と面積の関係」や「野球やバスケットボールなどの投げ上げ」などがよく出てきます。
では、そんな文章題に出会ったらどうしたらよいか、という話になりますよね。
【読み解きのコツ①】まず「何が x 、y なのか」を見抜こう
まず、「何が x 、y なのか」を見つけることから始めましょう。
ここがポイント!
ここで、関数の世界でのxと y の役割も思い出しておきます。
x は「変わるもの」(入力)
y は「結果」(出力)
実践!!問題文を読み解こう!
それでは、xと y の役割を考えながら、問題文を読み解いてみましょう。
まずは、問題文を最後まで読みます。
ある物体が落ちる距離は、落ちた時間の二乗に比例します。時間が2秒のとき、距離は19.6mです。この関係を式で表しなさい。
つぎに、問題文を分けます。
① ある物体が落ちる距離は、落ちた時間の二乗に比例します。
② 時間が2秒のとき、距離は19.6mです。
③ この関係を式で表しなさい。
問題文から、xとyを見抜こう
それでは、問題文①からはじめましょう。①には、ラッキーワード「二乗に比例」が含まれます。ここに着目することで、「 x 」と「 y 」を見つけることができます。
「二乗に比例」から「x」と「y」を見つける方法
まず、「二乗に比例」を目印にして、問題文を確認します。
① ある物体が落ちる距離は、落ちた時間の二乗に比例します。
「〇〇の二乗に比例」の「〇〇」部分。ここが x です。
つまり、「ある物体が落ちる距離は、落ちた時間の二乗に比例します。」では、時間が x、距離が y ということになります。
【読み解きのコツ②】「比例する」=「式になる」
さらに、ラッキーは続きます。「比例する」と問題文にあったら、式が決まる合図です!
問題文に「二乗に比例する」とあったら
その式の形は、こうなります。
「二乗に比例」の式 → y = ax² ( a は比例定数)
ここまで決まれば、数字の情報から、a(比例定数)を求めればよいですね。
問題文①②③を読み解こう
それでは、①②③の読み解きを完成させましょう。
① ある物体が落ちる距離は、落ちた時間の二乗に比例します。
→ y = ax²
② 時間が2秒のとき、距離は19.6mです。
→ 19.6=a×2²=4a
この式から、比例定数aが求められます。
→ a = 4.9
③ この関係を式で表しなさい。
→ y = 4.9 x² (問題文から求めた式が完成!)
【読み解きのコツ③】グラフの形が決まる!
さて、「二乗に比例」の文章題では、グラフや表から「 x と y の情報」を集めなければならないことがあります。これも、苦手な人にとっては嫌いなところかもしれませんね。
でも、これも考え方次第です。
なぜなら、「二乗に比例する」グラフは、特徴のある曲線だからです。つまり、グラフの形を見るだけで「 y = ax²」の式が予想できるってことです。これなら「グラフを見よう!」と思いますよね。
それでは、ここまでのまとめです。
問題文にグラフが出てきたらチャンス!まず、グラフの形に注目、曲線だったら「 y=ax² 」の式を思い出そう!さらに、問題文の数字を使い、比例定数「 a 」も求めよう。
【例題】デモンストレーションで解き方をマスター
それでは、つぎの問題の解き方をマスターしましょう。
ある正方形の辺の長さを x cmとすると、その面積 y cm²は xの二乗に比例します。
辺の長さが、2 cm、3 cm、4 cmのときの面積を求め、式を立てなさい。
解き方のステップのまとめは、つぎのスライドを参考にしてくださいね。

それでは、ステップごとに見ていきましょう。
Step 1: x と yを確認
まず、問題文を分けましょう。
① ある正方形の辺の長さを x cmとすると、その面積 y cm²は x の二乗に比例します。
② 辺の長さが、2 cm、3 cm、4 cmのときの面積を求め、式を立てなさい。
つぎに、ラッキーワード「二乗に比例」に着目しましょう。「〇〇の二乗に比例」の「〇〇」は、「 x 」ですね。
x = 正方形の辺の長さ(cm)
y = 正方形の面積(cm²)
Step 2:式を立てる
また、「二乗に比例」の式は、「 y = ax² 」の形になります。一方、この問題のyは正方形の面積で、面積の公式は「 y = x² 」です。
したがって、この正方形の面積の式は、「 y = x²」で、比例定数は「a = 1」だとわかります。
Step 3:x に数字を代入
②では、辺の長さ x の値が3つ与えられています。そこで、それぞれの x の値に対応する y を計算することができます。
x = 2 → y = 2² = 4
x = 3 → y = 3² = 9
x = 4 → y = 4² = 16
Step 4:グラフにしてみよう
これらの値をプロットし、グラフを描いてみましょう。

このように、「二乗に比例」するグラフは曲線になります。単に、点と点をつなぐと直線にはならず、カクカクとした形になってしまいます。
でも、もっと多くの点をとれば、曲線状に点が連続します。ですから、「二乗に比例」のグラフはできるだけなめらかな曲線でつなぐのが正解!
まとめ:「二乗に比例」文章題の3ステップ!
最後に、「二乗に比例」の文章題の読み解きのステップをまとめます。このステップを意識してどんどん練習しましょう。
1. 何が x 、y ?(関係をつかむ) → わかりにくい時は、問題文を①②③に分けよう。
2. ラッキーワードは「二乗に比例」 → 「 y = ax² 」が決定、「 a 」を求めよう!
3. 問題文の数字の情報や表、曲線のグラフから、数字の関係性をゲット!
もっと練習してみよう!
さて、「二乗に比例」の文章題は、落下運動、料金の問題、図形などバリエーションはいろいろ!
次回は、いよいよ問題練習です。ぜひチャレンジしてみてくださいね! では、また💛


