今回は、試験後の「解き直しノート」についてです。成績をアップさせたい方必見の、効果的な方法です。ぜひ、最後まで読んでくださいね。
【解き直し】どうして試験後の最初の授業は「問題解説&答え合わせ」なの?
中学校では試験後の最初の授業は「問題解説&答え合わせ」ですが小学校ではしませんね。小学校のテストはよくできていて「花まるもらったなあ~」という記憶ではないですか?
これには理由があります。
理由 その1
第一の理由は、中学校で試験問題の不正解を放置すると、その後の学習に支障が生じるからです。
中学の学習は大きく高く積む、積み木細工のようなものです。
もし、土台の積み木を正しく置かず、いい加減に積んでも高く積みあがりません。いずれ、積み木はガッシャーンと崩れ、崩れ方がひどいほど広範囲に直す必要があります。その時は、とても時間がかかってしまいます。
つまり「問題解説&答え合わせ」を試験後の最初の授業でする理由は「ここまで積んであります。次にもっと高く積みますよ」という先生の予告メッセージですね。
テストの答え合わせだけして終わるとまずい理由です。
そうだったのか
理由 その2
もう一つの理由は、中学では定期試験が学期ごとにあり、「解き直し」のタイミングは試験後なるべく早くが最適だからです。
もし「いつ解き直しをしてもよい」ならば、試験後の最初の授業は、普通授業でよいはずです。
これは「記憶の持続性」に関係があります。
なるべく早くが最適?どうして?
ところで、ここで再確認です。
「解き直し」と「答え合わせ」は別のことです。解説を読んだり、調べたりして同じ問題を再度、自分で解くことが「解き直し」です。
なぜ、試験後に「答え合わせするだけ」はよくないのか
答え合わせはそれだけで分かったような気がします。でも、その記憶はあまり残りません。
なぜなら、できるだけ早く自分で「解き直し」てこそ記憶の定着が始まるからです。人から答えを聞いただけでは記憶に残らず、再現できません。
「解き直し」は一回でよいのか
解説などを聞くと、その問題は確かに解きやすくなります。しかし、似ている問題も正解できますか?問題のポイントを理解し記憶してこそ、似ている問題に正解できます。
試験後なるべく早く解き直し、似ている問題が解けるようになるまで、十分に学習すべきです。そしてすぐに忘れないように「解き直し」を反復し、記憶の持続性を高めることが大切です。
記憶が持続する「解き直し」方法
ところで、記憶を持続させる方法とは何でしょうか。それは、記憶があるうちに反復し、自分で記憶の確認をすることです。残念ながら、一回で「解き直し」をやめると、その記憶はいずれ思い出せなくなるかもしれません。
ある記憶を、間隔をとりながら反復する学習法を「分散学習」といいます。いわゆる「一夜漬け勉強」の真反対ですね。
「解き直し」は分散学習しよう
「分散学習」は中学生の学習に、ぜひ、取り入れたい方法です。
分散学習は「一夜漬け勉強」のような「一回大量の覚え込み」ではありません。少量の学習を繰り返すことで記憶が持続し、思い出しやすくする学習方法です。
どのように「解き直し」するか?
では、どのように「解き直し」するかご紹介します。まず、「『解き直し』のスタート地点は、試験後できるだけ早く」です。ここから、記憶を反復する(復習)タイミングを決め、そのとおりに、自分でその記憶のテストを繰り返すという方法です。
あらかじめ、復習のタイミングを決め、その計画どおりに記憶のテストを実行する。
【効果的】復習タイミングの決め方
具体例
① 授業で解説を聞いた日に自宅で復習する。(Day 0:D0)(1回目)
D0は、「解き直しノート」を作る日のことです。この作り方は、次で説明します。
② D0から3日後(D3)に再度、同じ問題を解く。(2回目)
気づいたことがあれば、「解き直しノート」に情報を追加する。
③ D3から7日後(D10)に再度、同じ問題を解く。(3回目)
D10時点で同じ問題が解けた場合は、問題集から類似問題をピックアップして解いてみましょう。そして、この問題も解ければ、学習記憶として定着しているでしょう。
このように、D0(スタート日)、D3(3日目)、D10(10日目)のように、記憶の小テスト間隔を少しずつ伸ばしていきます。そうすることで、効果的に記憶が持続します。
「解き直し用ノート」を作ろう
このノートは、学校用ノートとは別に、さらに、科目別に用意してください。解き直し2回目、3回目も同じスペースに書きます。ですから1回目を書くときに、2回目、3回目を同じスペースに後から書けるようにしておきます。
解き直しノートの作り方・手順
【効果的】ノートに問題文と正解を記録、解き方のポイントをメモする
① 問題文と解答を記録する。
間違えた問題の問題文と正解をノートに記録する。試験問題はコピーしてノートに貼るとよい。しかし、答えは自分で書く。余白に、授業で聞いた解説やポイントなどを書く。
色分けしたり、イラストを加えたりして、
どんどん解説やポイントを書き足そうね
② 自分の言葉でまとめる
解説やポイントなどは、自分なりの表現で簡潔に書く。例えば、ルールを決めて色分けして書くと ノートの見た目がまとまり何度も見返しやすい。自分なりにまとめたことは記憶に残りやすい。
③ 図やグラフは自分で描く
数学や科学の問題の場合、図やグラフはコピーを貼るよりもできるだけ自分で描く。
自分で図やグラフを描いてみることで、問題への理解を深める効果もある。
【効果的】キーワード、必要な公式、自分の理解度をメモする
④ 問題に関するキーワードやポイントを見つけ、数学で必要な公式を「解き直しノート」に書く
キーワードを書いておくと、問題の内容を思い出しやすいね。
⑤ 試験時に間違えた問題を解き、正解を確認する。各時点での自分の理解度を書いておく。
この、D0、D3、D10の各時点での自分の理解度を書いておくことが、最も大切です。なぜなら、自分が理解したかどうかが分からないまま復習しても、自信につながらないからです。
自分の理解度は、解き直しをするたびに分かりやすくメモしましょう。むずかしく考えないことが大事です。自分なりにA、Bなど簡単にメモするだけです。
理解度の例
A:分かった B:分からない の2段階の評価を自分なりにする。
「解き直し」を反復し、理解度をメモすることで「自分の理解」を見える化します。さらに、問題に対する「得意」「不得意」といった傾向も分かるようになります。
私、こういう問題が「不得意」なのか。
しっかり復習しようっと。
評価は「自分なり」でいいんですよ。
自分の得意、不得意を知っておくことは大切です。
解き直しノートの材料、他
ノート作りの材料や道具については、いろいろと便利なものがあります。ぜひ、自分に合うものを探してください。
その1
① A4サイズのノート
A4サイズのノート、ルーズリーフなど大きな紙面がよい。ノートは保管が楽。ルーズリーフは部分的に増やすことが自由にできる点が便利。
② プリンター
問題や解説正答をコピーできる。自宅にA3サイズ可能プリンターがあると、過去問の印刷もできる。
③ 折り畳み定規
「解き直しノート」の紙面が大きいので長い直線を引くことがある。折り畳み定規は小さくたたむことができるのでペンケースに入れて持ち歩ける。
その2
④ のり
問題や正解、参考資料をノートに貼り付ける際に使う。ノートに塗りやすいスティックタイプがおすすめ。
[コクヨ] 5個セット GLOO 色が消える スティックのり S M L タ-G311 タ-G312 タ-G313 グルー 四角い のり 色付きのり 乾くと消える |
⑤ 消しゴム
書き直しに使う。高品質な消しゴムを使った方が作業がはかどる。
⑥ ペンスタンド
A4ノートを机に広げるので、文房具は散らかさずにまとめて置くほうが効率よく作業できる。
どうでしたか? 定期試験後の最初の授業の日から、すぐにスタートできますね。
最初はノート作りがうまくいかないかもしれません。それでも、気にしないで続けた方がよいです。
ノート作りは慣れですから続けるほどノート作りがうまくなります。こういった作業が記憶の定着に役立ちます。ぜひ、楽しんで「解き直しノート」を続けてください。
「やってみた」「こんなノート作ってるよ」というお話も、ぜひ、聞かせてくださいね。