「変化の割合がマイナスのとき、どうなるの?」「a の値が違うと何が変わるの?」…
今回は、「変化の割合」がわかってきたからこそ、こんな疑問がある人にピッタリな記事です。
さらに例題では、公立高校入試によく出る「二次関数の変化の割合」について、まず「基礎〜標準」レベルを一緒に確認しながら、よくあるミスや裏技ポイントも紹介していきます!
「変化の割合」ってなんだっけ?(復習)
さて、一次関数( y= ax )でやった「変化の割合」は、傾き( a )のことでしたね。つまり、一次関数のグラフは直線で「変化の割合」は常に一定です。
でも、二次関数のグラフは放物線ですから、「変化の割合」(傾き)はどの区間を見るかで違いました。※
※クリックして第10回も見てね🎵
二次関数の「変化の割合」基本の公式
では、二次関数の「変化の割合」の公式はどこかが違うのでしょうか?二次関数の「変化の割合」の公式を見て確かめましょう。
変化の割合= y の増加量 ÷ x の増加量
実は、一次関数の「変化の割合」の公式と同じ形です。
押さえておこう!二次関数の「変化の割合」
とはいえ、二次関数には一次関数とは違う特徴があります。そこで、例題に取りかかる前にその特徴をあげておきます。
そして例題を解くことで、二次関数の「変化の割合」の特徴をみていきましょう。
① x が a から b に増加する際の y の増加量の割合は一定ではない。
②二次関数の a、b区間の「変化の割合」はこの区間を直線にみなして公式に当てはめる。
③この計算で求めた「変化の割合」はこの区間の「平均の傾き」である。
【レベル1】超基本:まずは式がシンプルなものから
例題1
関数 y = x² において、x が 1 から 3 に変化するときの変化の割合を求めよう。
解き方のコツ(まずは基本技!)
① x = 1 のときの y = 1² = 1
② x = 3 のときの y = 3² = 9
③ 変化の割合の公式に代入:(9−1)÷ (3−1)= 8 ÷ 2 = 4 答え:4
📝この例題のポイントは、ズバリ「計算の順番」だけ
①代入 → ②引く(後-前) → ③割る の順で!
y = x² のような シンプルな式で練習するとわかりやすい!
もちろん、x の区間が違えば「変化の割合」は違うよ!
【レベル2】ちょっと複雑そうな式も、やることは同じ!
例題2
関数 y = x² – 4x において、x が 2 から 5 に変化するときの変化の割合を求めよう。
① x = 2のときの y = 2² – 4×2 = 4 – 8 = -4
② x = 5のときの y = 5² – 4×5 = 25 – 20 = 5
③ 変化の割合の公式に代入:{5−(−4)} ÷ (5−2)= 9 ÷ 3 =3 答え:3
📝この例題のポイントは、ズバリ計算ミス(特にマイナス)しないこと
① マイナスの計算ミスに注意
② マイナス符号の付け忘れを防ぐため、かっこで囲んでおくと安全!
「 a の値」の違いとグラフの変化
ところで、「 a の値の違いで何が変わるの?」って気になる人もいますよね?これは、グラフを見ればバッチリわかります。

つまり、関数 y = ax² のグラフは左右対称形で、「 a の値」の違いで放物線の「開く方向」と「幅」が違うのですね。

上下左右を鏡にうつしたみたいね!
「 a の値」と高校入試
実は、この「 a の値」も高校入試の応用問題として取り上げられています。
でも、焦らないでね!
今がんばって「変化の割合」や「グラフの読み取り」を練習中の人は、まず前回の内容をマスターしてください。そして「二次関数の『 a の値』もがんばるぞ~」という人に、つぎのポイントをご紹介します。
🔎ここもポイント!
① 応用問題では「a の値を求めなさい」も出ます。
② そのときは、変化の割合の公式を使って a を逆算するパターンも。
③ 変化の割合の計算にしっかり慣れておけば大丈夫!
よくあるミスと裏技アドバイス
知ってふせごう「よくあるミス」
まず、こんなミスが起きやすいので練習のときから注意してね。
- 計算中の符号ミス→ 符号や数字をていねいに書いてね!
- マイナスの計算処理→かっこで囲んでおこうね!
- a、 b などの計算の順番→あわてないでね!
二次関数グラフと「変化の割合」(プチ裏技)
さて、二次関数のグラフは左右対称でしたよね。ということは、つまり「変化の割合」の「大きさ」や「符号」を見れば、放物線の形が大まかにわかるということを意味します。

なになに?
例えば、こんなことがわかります。
① 変化の割合が小さい ⇒ 頂点付近の範囲を見ている可能性が高い
頂点から同じ距離の区間では、変化の割合は「0」
② 変化の割合がプラス ⇒ 頂点より右側の区間(グラフが右上がり)
③ 変化の割合がマイナス ⇒ 頂点より左側の区間(グラフが左下がり)
練習問題にチャレンジ!
それでは、問題練習をしましょう
✏️ レベル1
① y = x²、x が 2 から 5 のときの変化の割合
② y=x²−1、 x が 1 から 4 のときの変化の割合
✏️ レベル2
③ y = x² + 2x、x が -1 から 3 のときの変化の割合
④ y = 2x² – 3x、x が 0 から 2 のときの変化の割合 こちらをクリックして答え合わせ
まとめと次のステップ
最後に、二次関数の「変化の割合」と「 a の値」を総まとめしましょう。そして「わかってきたな~」と思ったらどんどん問題を見つけて練習することが大切です。そのときが実力アップ🆙のタイミングですから。 では、また💛
- 二次関数の変化の割合は、「平均の傾き」
- 計算は「代入 → 引く → 割る」でOK!
- マイナスや a の違いには注意
- 応用問題では、変化の割合から a の値を求めることもある!
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もっと練習したい人へ:おまけ
練習プリントで「変化の割合を」レベル別に練習できます。基礎~標準問題に自信がついたら、a の値を求める問題にもチャレンジしてみてね。
🔍 答え(練習問題)
① (25−4)÷ (5−2) = 7
② (15−0)÷ (4−1) = 5
③ {15−(−1)}÷ {3−(−1)} = 4
④ {(2×2²−3×2)− (2×0²−3×0)}÷(2−0)= {(8−6)− 0} ÷(2−0)=1




